フローリングの重ね張りでしがちなミス5選
2026.5.7
既存の床材を撤去することなくその上から床材を施工する方法を「重ね張り」と言います。
通常の床材の施工では、既存の床を全面的にはがしてから新しい床を施工することになりますが、その取り外しと廃棄に多くの工数がかかります。こうした手間と工賃を軽減するために生まれたのが「重ね張り」工法で、リフォーム現場を中心に人気を博しています。

もっとも、市場に販売されている全ての床が重ね張りに適しているわけではありません。以下のように「重ね張り」に適した床を選択する必要があります。
重ね張りの中でも「置床式」とされるものは、下床に接着剤や両面テープを用いて貼っていくタイプで、施工が簡単な分一度施工してしまうと解体しにくいデメリットを持ちます。「クリック式」と呼ばれるタイプは床材同士をクリックでくっつける、接着剤を用いないタイプの施工方法で、解体が楽な分クリック部のコツをつかむまで少し時間がかかります。
| 置き床式 | クリック式 | ||||
| 塩ビ系 | 木質系 | ラミネート | SPC | オレフィン | |
| 施工方法 | 接着剤、両面テープなど | 接着剤、両面テープなど | クリック | クリック | クリック |
| 厚み | 2~3㎜ | 1.5~6㎜ | 8~12㎜ | 5~6㎜ | 5~6㎜ |
| 代表例 | リフォルタ | ウスイータ | ‐ | クンストヴェルク | Modular One |
いずれにせよ、従来の施工方法に比べると工数が削減できるメリットを持つ「重ね張り」ですが、施工時に注意しないと後悔する場面もでてきます。どのような点に注意が必要なのでしょうか?
重ね張りをする際に冒しがちなミス
1 不陸の未処理
重ね張りの鉄則は、下床が「安定した」状態で施工することです。下床が不陸を抱えたまま(特に古くなった下床の場合に多い)重ね張りをしてしまうと、不陸を拾ってしまって歩くたびにデコボコしたり、床鳴りをおこしたり、クリック式の場合外れてしまうなどの危険が伴います。
不陸が大きい場合(一般的に2㎜以上の場合要注意)、不陸をパテなどで処理する、浮きをビスで固定するなど、工夫が必要になります。
2 高さの増加を甘く見る
既にある床の上に新たに床を重ねることになるので、部屋の床の高さが全体的に上昇することに注意が必要です。薄い重ね張り向けの床材であれば1.5㎜から、ラミネートや複合フローリングなどにアンダーレイヤーなどを合わせると10㎜を超える高さになることも。
その場合ドアが閉まり切らなくなることがあるため、ドアをカットするなどの追加工程が必要となります。
3 下床の残存湿度が高い
施工現場の中には、下床が何らかの理由で高い湿度を保っており、重ね張りをすることで床と床の間に湿度が溜まり、カビやバクテリアの温床になることがあります。一階部分で地面との距離が近い、コンクリートが乾ききっていない、などがよく上げられる原因です。
下床と重ねた床の間にカビが発生してしまうと、床を下から破壊してしまう物理的な問題に加え、空気中にカビが蔓延し健康問題にもつながります。重ね張りを行う前に、下床が残存湿度を含まない状況かどうかの確認が必要と言えます。
4 工具や知識の準備不足
DIY用としてホームセンターやECサイトでも広く販売されているため、準備無しでも施工できる気がしてしまう重ね張りですが、実際には電ノコや定規など、一般的な床材の施工に用いられる工具が必要とされるケースが多いです(※一部の床材はカッターで対応可能)。
置床式で接着剤を扱う場合、一度施工してしまうと解体できなくなるので、特に長さの計測や施工にあたって注意が必要です。
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5 配管・配線・床点検口・床下収納の存在を忘れる
床下へのアクセスを忘れて重ね張り(特に接着剤を用いた)をしてしまうと大惨事となります。一般住宅では一階部分に点検口が、オフィスであれば配線が多く床下にめぐらされており、重ね張りをする際もそこへのアクセスをしっかり確保しておく必要があります。
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