木質フローリングのグレードってどうやって決まる?
2026.6.17
ABグレード、プレミアムグレード、ビンテージグレードなど、メーカーによってフローリングのグレード呼称は分かれています。
この木質フローリングのグレードが分かれているのには、そもそも原料となる木材が一つ一つ異なる表情を持っているという性質に寄ります。育った場所によって色が違ったり、切ってみて割れがあったりと、純粋な工業製品のようにデザインのコントロールができないため、このように用途に応じてグレード分けしていくのです。
本稿では、木質フローリングのグレードを見分ける基準について解説していきます。
木質フローリングのグレード
グレードの決め方にはメーカーごとにいくつかの指標があります。このことは重要で、要するにメーカーAにとっての「ABグレード」とメーカーBにとっての「ABグレード」の基準が異なる可能性があるのです。
メーカーの中には節の大きさでそのグレード分けをすることもありますし、節の多さや、白太の有無、といった指標も用いられます。グレードがどのように分けられているか、を知るためにはデータシートを参照する必要があるというわけです。
一般的に我々がフローリング材を見て「このグレードは良い」「このグレードは悪い」という際に用いる際の指標としては、以下のようなものが挙げられます。
グレードを分けるうえでもっとも分かりやすく、かつ用いられやすいのは「節」による選定です。

そもそも節とはなんでしょうか?
節とは、木の幹に取り込まれた枝の根元部分です。木は成長するたびに年輪を重ねますが、その途中で枝も幹に包み込まれていきます。その結果、製材したときに断面に現れるのが「節」です。
枝の周囲では繊維が枝を避けるように成長するため、このように曲がった木目として表れることになります。
つまり、枝の生えていない「木の下の部分」を製材すると節の数は減少するわけで、節の少ないグレードのフローリングにはこうした部分が用いられることになります。

パテなどでしっかり補修された節に関しては瑕疵にはならず、普通に使用することができます。一方でインテリアやデザインの業界では「節が無いフローリングは美しい」と思われていることも少なくなく、流通量の少なさも相まって一般的に「高額」になりがちです。


白太の有無、というのもフローリングのグレーディングをおこなう上で一つの指標になりがちです。木の断面を見ると、周辺が白く中心にいくと次第に色が濃くなっているのが見て取れると思います。

白太部分は、いわば木材における水道管の役割を果たしており、地中の水分を枝葉に届けています。対して中心部分は既に水道管としての役目を終えて引退した部分ですので、タンニンや樹脂が蓄積して濃く見える訳です。

このように、一つの木材を余すところなく用いようとすると、白太を含む部分、含まない部分というものが製材のタイミングで発生することになります。こちらも、フローリングのクオリティに影響を与えるわけではありませんが、見目の美しさの観点から、一般的には白太が少ないほうがグレードが高いとみなされます。

割れにはいくつか原因があります。
繊維方向の乱れる節周辺で発生しやすい節割れ、年輪同士の結合が弱い部分に暴風のような荷重がかかって生じるRing Shake(年輪割れ)、寒冷地で幹と内部の温度差が急激に高まると発生するFrost Crack(凍結割れ)などで、場合によっては伐採して中を開けてみるまで分からないこともあります(他にも、伐採時や製材時の乾燥工程で発生する割れもあり)

こちらもメーカーのグレーディングで何センチまで許容するのか、あるいは許容されないのかが通常は明示されていることが多いです。高いグレードのモノではこの割れは許容されず、低いグレードのものはパテ修復などを施して用いられることがあります。
木材の色差は育った環境の違いによって発生します。土壌の栄養の違い、日光の照り具合、気温、等々。統一性を保つのであれば色差は少ないほうが良いのですが、木材の色差はメーカー側が最もコントロールしづらい部分の一つでもあり、かつ節の大きさのように定量化しづらい部分でもあります。
それゆえ、高いグレードでも色差は一定レベル許容する、と書かれることが多いと言えるでしょう。

色差をコントロールしたい場合は、表面に塗装を施すなどして色むらを無くしてしまうやり方が用いられます。濃い色調の塗装を表面に施せば、色差はある程度抑えることができます。

グレードごとの使用の仕方
さて、このようなグレードの違いはインテリア空間設計にも影響を及ぼします。グレードが高いから「良いもの」、グレードが低いから「悪いもの」とは一概に言えず、例えば北欧では節の入ったフローリングがより自然を感じるとして人気を博しています。
節や白太の有無などは、その木材の生きていた証でもあり、規格が統一された工業製品にはない「持ち味」と言えるでしょう。そうした持ち味を活かすため、グレードごとに適したインテリアや使い道を紹介していきます。
A~ABグレードは、節がほとんど含まれない高品質なグレードです。木目や色味のばらつきが少なく、空間全体に上品で均一感のある印象を与えます。
その落ち着いた表情から、ホテルの共用部やラグジュアリーホテルのスイートルーム、役員室、高級住宅など、洗練された空間づくりを求めるシーンで採用されることが多くあります。
近年は世界的な木材需要の増加や良質材の減少により、無節に近い原木の確保が難しくなっています。特にオーク材の無節グレードは希少性が高く、高値で取引される傾向があります。
B~Cグレードは、節や色差、割れなどの自然な特徴を多く含むグレードです。木が本来持つ表情を活かしたデザインとなり、一枚ごとに異なる個性を楽しむことができます。
その豊かな木質感から、「カントリー調」「北欧ナチュラル」「ジャパンディ」など、自然との調和を重視したインテリアスタイルとの相性が良いことで知られています。
また近年では、均一な木目よりも素材本来の個性を評価する傾向が強まっており、ホテルや店舗、住宅においてもあえて節や色差のあるグレードを選択するケースが増えています。
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