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SPCフロアの材質って?LVTとの違いを解説!

2025.8.25

Stone Plastic Compositeの通称として用いられる「SPCフロア」。石灰石を用いていることで耐久性・耐熱性に優れているとされていますが、実際には石灰石以外の成分も用いられています。

本稿では、具体的なSPCフロアの構造の図解と、LVTフロアとの違いを紹介していきます。

SPCフロアの構造

SPCフロアは通常3~4層構造になっており、それぞれの層がSPCフロアの特性を形作っています。

UVコーティング層
耐摩耗層
デコレイヤー
コアレイヤー(SPC)
消音バックボード

①+②:UV層(表面レイヤー)

床材を摩耗や色焼けから守る目的で施された保護膜で、透明なUVコーティングが加工されていることが多いと言えます。表面レイヤー自体は、LVTフロアなどの他カテゴリの床材にも用いられており、新しい技術ではありません。

表面レイヤー層0.3mm以上であれば中厚で、住宅・商業施設などに用いられます。0.5㎜以上であればさらに頑強で、重歩行向けの商業施設などに施工されることが多くなる一方、価格が上がるため用途との兼ね合いが重要になります。

SPCフロア表面レイヤー厚み比較表
表面レイヤーの厚み 用途 おススメ度 商品選択
0.1㎜~ 住宅向け 一部SPCフロアで用いられる。安価だが耐久性に乏しい。
0.3㎜~ 住宅・商業施設 価格と耐久性のバランスが最も取れた厚み。
0.5㎜~ 重歩行向け やや高額だが、耐用年数が長く重歩行帯で用いられる。
0.7㎜~ 工場など SPCで用いられることは少ない。

2:デコレーションシート

フローリングメーカー各社が力を入れているのがこの「いかに本物に近く見せるか」の要であるデコレーションシートです。表面層とコアレイヤーに挟まれたデコレーションシートは、印刷されたシートを用いていることが多く、メーカーの技術やデザイン力によって意匠性に差が生じます。

フランスやドイツといったヨーロッパのメーカーは、意匠性に富んだフローリング製造のためこのデコレーションシート部分に注力していることが多く、安価なSPCとの違いが生まれやすい部分です。

木質フロアとドイツ製SPCフロアの比較画像
木質フロアとドイツ製SPCフロアの比較。木質の構造を忠実に再現
Oak Memory Natural
ドイツ製SPCフロア Oak Memory Natural
ドイツ製SPCフロアの最高峰。Oak Memory Natural

3:コアレイヤー

従来のLVT床材との違いがこのコアレイヤーの部分で、SPCには石灰石が60~70%という割合で混ぜられています(メーカーによって混合割合は異なる)。防水、防熱、そして寸法安定性というSPCフロアのスペック特性はこの石灰石を混ぜ込んだコアレイヤーによるものと言っても過言ではなく、従来のLVTフロア等と比較して「重厚」かつ「硬い」造りになっています。

4:バックレイヤー

SPCフロアの裏面には多くのメーカーが「バックレイヤー」を設けています。

クリック式で施工することの多いSPCフロアの場合、不陸が施工不良を招くため、その不陸をカバーする目的と、防音効果を生じさせるために用いられています。触ってみればわかる通り、このバックレイヤーは柔らかく、衝撃を吸収する仕組みになっています。

SPC vs LVT

SPCフロアとLVTフロアの大きな違いはその「コアレイヤー」の主成分にあります。

LTVフロアのコアレイヤーはPVC(塩化ビニル)のみで構成されていますが、SPCフロアに石灰石が混ぜ込まれており、その分耐熱性と寸法安定性を演出しています。

SPC vs LVT 比較表
項目 SPC
(Stone Plastic Composite)
LVT
(Luxury Vinyl Tile)
芯材の素材 石灰石+PVC(石材系) 100% PVC(塩化ビニル)
構造の硬さ 非常に硬い(硬質) 柔軟性が高い(柔らかい)
防水性 完全防水 完全防水
耐熱・寸法安定性 高い 収縮・膨張しやすい
防音・クッション性 やや硬い感触 普通
重量 重い 軽い
施工 クリック式 接着剤施工
コスト 中〜やや高め 安価な製品も多い
市場流通製品 海外製が多い 日本製が多い
柔らかさ図解 SPC構造図 LVT構造図

また、内装市場に出回っているLVTフロアは日本の大手メーカーが製造しているところが多い一方で、SPCフロアの主要製造元は海外製であることが多く、中国や東南アジア製のSPCフロアは価格で、欧米のSPCフロアはデザインとスペックを特徴とする傾向が強いです。

特にSPCフロアはその寸法安定性と耐久力の高さから、洋風デザインのインテリアや、カフェや店舗など重歩行エリアで好まれがちで、2025年現在も商業施設を中心に使用面積が広がっています。

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