耐久性抜群!オークフローリングの歴史と特徴
2025.9.18
自然の木目模様が美しく、耐久性に優れたオーク・フローリングは、商業施設・住宅用途を問わず様々なシーンで好まれています。
ヒノキや杉といった日本固有の内装材と比べてフローリングとして使用されている歴史は浅いものの、デザイナーや建築家を中心にファンを持つオークフローリング。ご家庭の中にもオークフローリングの施工を考えられている方は少なくないのではないでしょうか?
特徴、歴史、価格など、オークフローリングにまつわる疑問を解説していきます。
オークフローリングの歴史
オーク材は特にヨーロッパの歴史で好んで用いられてきた建材です。元々はその耐久性を活かして建材や家具材として、中世以降はお城や大聖堂、貴族の館などの床に用いられてきました(これがオークフローリングの起源と言われます)。
例えば17世紀から18世紀にかけて、フランスのヴェルサイユ宮殿などの豪華な建築物で、ヘリンボーンのような複雑な絵模様のオークフローリングが流行しました。この辺りが単なる実用的な床材から、芸術的な価値を持つインテリアへと昇華する転換期だったと言えるでしょう。

19世紀には、産業革命により木材加工技術が飛躍的に発展しました。これにより、硬くて加工のしづらかったオークの製造が効率化され、フローリング材としての用途も王侯貴族から一般家庭に普及するようになったわけです。
日本でも元々カシ・ナラといったオーク材が生息していましたが、柔らかく加工のしやすいヒノキや杉といった針葉樹材が好まれる傾向にありました。こちらも、戦後の加工技術の発展・輸入材の浸透に伴い、徐々に建材として受け入れられるようになっていったわけです。
オークフローリングの特徴
オークフローリングが長年にわたり人気を保ち続けているのは、内装材としてもインテリア材としても持つ優れた特徴にあります。
耐久性と強度
オーク材は非常に硬く、傷やへこみに強いのが最大の特徴です。針葉樹では使われにくい土足現場などでも使われることが多く、適切な手入れを施すことで何十年と耐用することも可能です。
美しい木目と色合い
特に欧州など寒い地域で育ったオーク材は、美しい木目模様を持ちます。色合いは、ホワイトオークのような明るく洗練された色から(シベリアやウクライナ等)、フレンチオークのような温かみのある赤みがかった色まで様々です。時間の経過とともに深みのある色に変化し、独特の風合いを増していきます。
優れた調湿性
木材フローリング全般として、周囲の湿度に応じて水分を吸収したり放出する調湿性を持っています。夏は湿気を吸収してサラッとさせ、冬は乾燥を防ぐ「自然の調湿機」としての機能を持つことで、人々を健康に保ちます。
高い断熱性
木材はコンクリートやタイルに比べて熱伝導率が低いため、特に冬場は優れた断熱材となります。オークフローリングは冬でも冷たくなりにくく、足元を快適に保つことができます。実際に、素肌に伝わるストレスが少なくリラックス効果をもたらすとも言われています。
オークフローリングの種類
無垢フローリング
無垢フローリングとは、繋ぎ目を持たない、一本の木材から削り出して作られたものです。オーク材本来の質感、香り、そして温かみを最も感じることができる床材として、根強いファン層を持ちます。無垢材のため、反りや収縮が起こりやすいという特性がありますが、その変化もまた「生きている」木材の魅力として楽しむことができるわけです。
複合フローリング(突板)
日本で最もオーソドックスな複合フローリングは、合板や集成材などの基材の上に、オーク材の薄い板(突板・0.5㎜以下)を貼り合わせたものです。無垢材に比べて反りや割れが少なく、寸法安定性に優れているため、床暖房にも対応しやすいという利点があります。
複合フローリング(挽板)
より厚手の板を用いたのが挽板を用いた複合フローリングです。構造部分は突板と変わりませんが、表面材の部分に2㎜~3㎜の厚手のオーク材を用いており、より木材本来の風合いを楽しむことができます。
ヘリンボーン
ヘリンボーンは、ニシンの骨のような形状にフローリング材を組み合わせる張り方です。部屋に動きと広がりを与え、クラシックでエレガントな雰囲気を演出するとして、ヨーロッパを中心に人気を博しています。
オークフローリングの価格と希少性向上
このように、長い歴史とユニークな特徴を持つオークフローリングですが、乱獲によって昨今は価格高騰の憂き目にあっています。特にコロナやロシアによるウクライナ侵攻といったイベントによって2019年以降オーク材の価格は高止まりしています。


温暖化による異常気象、キクイムシの増殖といった原因も手伝って、特に良質なオーク材の確保は年を追うごとに難易度が高くなっています。
オーク材不足の理由 |
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1
温暖化による異常気象(山火事やハリケーン、洪水)
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2
温暖化によるキクイムシの増殖
|
3
中国など新興国の台頭と木材需要の高止まり
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オークフローリングの価格は幅やグレード、厚さなどによって上下しますが、一般的には10000円/m2~20000円/m2程度のレンジで推移しています。
フローリング種類 | 表面の厚み | 価格 |
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突板フローリング | 0.2~0.5㎜ | 10,000~15,000円/m² |
挽板フローリング | 2.0㎜ | 15,000~20,000円/m² |
無垢フローリング | 無垢 | 15,000~25,000円/m² |
オーク風フローリングの普及
こうした理由から、オークフローリングのメーカーは自然のオークフローリングから持続可能なマテリアルへの転換を図っています。
ドイツで50年近くオークフローリングを製造し続けてきたParador社も、今まで蓄積されたデザインノウハウを用いてSPC床材やオレフィン床材を製造、「世界一美しい」とされるオーク風フローリングを世界中で販売しています。
SPCフロア
欧米で主流のクリック式の施工システムを導入しており、ノリや釘を使うことなく施工が可能、取り外しも容易。世界中の一流デザイナーが愛用する意匠性の高いデザイン性と、ドイツ製の高度な耐久力により、パラドーの日本市場における主力製品として知られる。


ドライバック
2㎜と薄く、リフォーム現場などでも使い勝手の良いシリーズ。0.3㎜の表層クリア層を使用し、ドイツの基準で土足使用にも対応するなどその耐久性には定評が。欧米製の床材と異なり、ノリで下床に張り付ける日本の塩ビ床と同じ工法を用いており、一般的な工具・施工方法で対応可能。


オレフィンフロア
エコ・サステイナブル大国で知られるドイツの産んだ最新の床材で、牛乳パックにも使われるPP(ポリプロピレン)を構造材として用い、可塑剤を含まない、環境にも身体にも害のない仕様となっています。


高級レストラン、オフィス、デザイナーズマンションなど様々な分野で用いられています。
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